願い事叶えます
魔法学校で学ぶものは勿論魔法
初級の魔法から上級の魔法まで
才能ある者はぐんぐんと力をつけていく
魔法学校を卒業した後、魔法使い達はまずひとつの仕事を選ぶ
その仕事を終わらせたら晴れて立派な魔法使いになるのだ
「その、仕事というのは実に多種多様でしてね…。
◯◯の薬を作るとか、ドラゴン退治に行くとか、伝説の宝を見つけるとか本当に色々あるんですよ」
ホシは苦笑しながら言った
その仕事のひとつに
人間の願いを叶え、その心臓または目を50個集める、というものがある
「それがまさに今私がやっているものなんですけど…」
この仕事は色々ある仕事の中で一番簡単で一番安全だ
人間達の願い事は尽きない
一年でも続ければ完璧に仕事を終えることができる
「心臓や目をもらう条件は自分で決められるんですよ」
ある者は上級魔法を使う願い事ならば
ある者は人の命に関わることならば
ある者はひとつめの願い事で
ある者はふたつめの願い事で
「私みたいにふたつめの願い事でっていう人いないんですよ」
ホシは少しおかしそうに笑った
「ああ、ちなみに目は2つで心臓ひとつぶんなんです」
「…で、お前たちは心臓を集めてどうするんだ…?」
「従獣という獣がいるんです。その獣は、
頭がライオン、胴が虎、尾がトカゲなんですけど、
その獣は魔法界を統べる神の従者で、
従獣は心臓を、魔法界のエネルギーにしてくれるんです」
「エネルギー…」
「そのエネルギーは魔法界を存在させるためにはなくてはならないものなんです」