願い事叶えます
ホシは箒に乗り次に自分に願い事をする人が現れるのを待っていた
強風が吹いてもびくともしない箒の乗り心地は最高で眠くなりそうだった
「暇ですねえ」
目をつぶりながらホシは呟いた
「ホシが暇じゃないときの方が珍しいよ」
ホシの肩の上に乗っている白猫がホシに向かって言った
「失礼です。私だって暇じゃないときだってたくさんあります」
「例えば?」
「………。この話しは終わりにしましょう」
「まーたそうやって誤魔化すんだよなあホシは」
白猫はため息を吐きながら言った
「少しは主を尊重したらどうです?
誰があなたを喋れるようにしたと思ってるんですか」
「そりゃあ僕を喋れるようにしてくれたのはホシだけどさあ、
ホシは僕の主じゃなくて相棒だろ?」
「実際のところどっちでもいいんですが」
ホシは宙に浮いて足をばたばたさせながら言った
「…暇ですねえ」