願い事叶えます





「何を調べてるんですか」




不意に頭上から声が降ってきた




顔を上げるとホシが箒に乗り、足をブラブラさせていた




ホシはいつものトンガリ帽子を被り、紺色の髪を揺らしていた




まあそれはいい



いつものことだ





だが





ホシはほぼケンの真上にいるのだ





「…お前…!!!もっと浮く場所考えろ!!!」




ケンは慌てて目を逸らした





決して彼女のスカートの中を見たわけではない



これは誓う





「失礼」




ホシは気にしていないのか高度を下げケンのすぐ側まできた





「で、何を調べてるんですか?私のことなら私に聞けばいいでしょう」





「…ああそうだな。だが急によそよそしくなった奴に質問しにくいしな」



ケンが言うとホシは気まずそうに顔を逸らした




「ち、違います…。よそよそしいっていうか…気持ちの整理をしていた…というかその…」



ホシはもごもごと何やら呟いた



「ケンさんを避けてた訳じゃないんです。でも不快な思いにさせたのならごめんなさい。







私がいなくて寂しかったですか?」





せっかくの謝罪を台無しにしやがった




ごめんなさい、という彼女の言葉に頷いたのに何故か最後の言葉に無理矢理頷かされた感が満載である










「お前…よく兄さんに似てるって言われるだろ」



ケンが何気なく言うとホシは目を見開いた





「はあああ!?私が!?あの兄に!?


ケンさん!?言って良い冗談と悪い冗談があるんですよ!?

ああ…!今の言葉で鳥肌がたちました…」




「う、悪ィ」




予想以上の反応にケンがたじろいでしまった





「はあ…。



ああケンさんの疑問に答えましょうか?」




「いや、今じゃなくていい。帰ったら」



ケンの言葉にホシは笑みを浮かべ頷いた



「それからもう1つ前から聞きたい事があったからそれも聞くぞ?」




「はい」




ホシはしっかり頷いた









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