願い事叶えます







6年前といえばホシはまだ魔法学校の学生だった






「ホーシちゃん」



にこにことホシのもとへ寄ってくるのはホシの友人




ピンク色の髪が鮮やかで可愛らしく2つに結んでいるため、実年齢より幼く見える



彼女のピンク色の髪は魔法でその色にしているため、ホシでさえ彼女の本当の髪色を知らない




「リディ」




ホシが小さく手をふるとリディも大きく手をふりかえした




「今日の髪はピンクですか。いつになったら本当の髪を見せてくれるんですか?」



「やーだよぅ!私の本当の髪色誰にも見せないんだからあ!

ホシこそいつになったらその馬鹿丁寧な言葉遣い変えてくれるのお?」



「私のは癖です」




「でも、ちっちゃい頃はそんなしゃべり方じゃなかったような…?」



「いいんです!私のことは!」




ホシがそっぽを向くとリディはごめんごめん、と笑った





「ところでホシ。大ニュース大ニュース!」



リディが興奮した面持ちで言った



「"旅の扉"が誰も開けてないのに勝手に開いたんだって!!」



「え?」



"旅の扉"とは魔法界から人間界など別の空間へとつづく扉



その扉は魔法使いが移動するときのみ開く


移動したい者なら誰でも開けることができるが、その扉が勝手に開くことなどまずあり得ない




「もうねえ、おじいちゃん魔法使いたちが揃って扉の前で首傾げてるよ!」



「妙ですね…」




「まあでもおじいちゃんたちが何とかしてくれるからわたし達は気にしなくていいよね?」




リディが言うもホシは暗い表情をしていた





「嫌な予感がします」










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