願い事叶えます





扉が開いてから約10時間が経過した




ホシは学校の教室で授業中だった






突然、外で雷鳴が鳴り響いた





「キャア!!」




雷鳴の音に驚いた何人かの女子は悲鳴をあげた




「晴れてるのに…」




ホシは窓から空を仰ぎ見た



空は青空なのに雷鳴の音が鳴り響いている



けれどもその雷は見えない




「な、何が起こっているんだ?」




ホシの側にいた男子生徒は緊張した面持ちで呟いた





「"旅の扉"…」



ホシが呟くとその男子生徒は驚き振り向いた




「お前!今なんて…!?」




「"旅の扉"が開いたことが関係してるんですよ!!」



ホシは窓を開け、窓枠に足をかけた




「先生!お腹痛いのでお手洗いに行ってきます!」



ホシはそう言い、魔法で箒を取り出すとそれに乗り、勢いよく飛び出していった




「ちょ、ホシさん!?そっちにトイレはありませんよ!?」



「あの…馬鹿ホシ!」



リディも同じように箒を取り出し、窓から飛び降りた



「先生!わたしもお腹痛いのでトイレ行ってきますー!」



「え!?リディさんも!?」



先生が驚きながら窓から飛び出していったリディを呆然と見送った





それから教室の中はしんと静まりかえった




「先生…あの…」



1人の生徒が手をあげた




「おれもお腹痛いんでトイレ…!!」




「あ、私も…!」


「おれも!」




生徒は次々と飛び出していくのを先生は呆然と見ていた















「トイレブームかしら…」






この教師はどこまでも鈍いのであった



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