願い事叶えます
いきなり
知らない場所に足を踏み入れてしまった者の恐怖なんて本人にしかわからない
どうしてこうなったんだ
おれはただ…
ただ…
「やあ、お目覚めかい?」
男の明るい声に目を開け青年は顔をあげようとした、が全く体が動かなかった
「ああごめんごめん動けないよなー。でも動けるようにさせとくわけにもいかないんだ。
そこらへんわかってくれるよな?うん。ありがとう」
かろうじて見えるその青年に喋りかけてくる男は明るい金髪で口元には笑みを浮かべている
「あ、おれは何で動けるのかって顔だな。
そりゃあこの部屋作ったのおれだから。制作者にも魔法がかかっちゃあなあ」
あはは、と何がおかしいのかわからないがその金髪の男は明るく笑った
「さて…じゃあ今から君に喋ることだけ許可するよ。ただし余計なことは喋るな」
全く動かすことができなかった青年の体が少し、ひとつだけネジが緩んだように軽くなった
「じゃあ…まず君の名前は」
「…ジャック…」
「へえー…変わった名前だな…クジャクかあ」
こいつ頭おかしいんだきっと
どこをどう聞き間違えたらおれの名前がクジャクになるんだ
クジャクってそもそも何だよ
確か日本語でそんな名前の鳥いたか…!?
ジャックは余計なことは喋るなと言われていたのでこれらの事は全て飲み込んだ
「で、クジャク。何故お前はここに来た?」