願い事叶えます
償い
ホシは散々地面を撫でた後すっと立ち上がり、歩き始めツキの横を通りすぎた
「…そうですね。私達はただの魔法使いです。
彼らに干渉する必要も義理もありませんね。
だって彼らは自分達自身で自分や周りの者達を言葉で救えるのですから」
そしてホシは立ち止まりツキの方を振り返った
ツキはホシに背を向けたままだった
「でも、彼らだけではどうにもならない時に彼らを救えるのは、私達ただの魔法使いだけじゃないんですか?」
それだけ言い残し、ホシは走り去ってしまった
ツキはようやく振り返り走り去るホシの背を見て、ふと地面に目を移した
そこだけ1滴の雫が落ちた跡が残っていた
それはホシの涙
人間を思い流したホシの涙
ツキが初めて見たホシの涙だった