願い事叶えます



「…そういう訳で私は、償いのために人間の願い事を叶えています」




ホシはケンを見上げそして顔をしかめた




ケンは一見難しそうに何か考えているように額に手を当てているが、よく見てみるとケンは微かな寝息をたて寝ていた




「な…人がせっかく…話してあげたのに…



何で寝てるんですかあ!!!!!!」



平手…ではないグーだ


ホシはグーでケンを殴った



「うわ…!!!」



突然のグーパンにケンは驚き殴られた処を痛そうにさすった



「どこから寝てたんですか…!!一体…!!!」



ホシはケンをグーで殴ってもまだ気がすまないのか怒りでぶるぶると震えている



「あ…ああ…!?ね、寝てねェ!!

それでリディって子の髪の色は何色なんだ?」



「それかなり序盤の方の話ですよ!?

まさか聞いといて最初っから寝てたんですか!?」


「いや待て誤解だ…!!その後もちゃんと起きてた!!」


「じゃあ何でここまで話して髪の毛の話が出てくるんですかぁ!!

他に言うことあるでしょ!!!」



「あ、ああそうだな…。旅の扉って何だ?」


「説明しましたよ!!!やっぱりそこら辺りで寝てたんですね!!!」


「う…すまねェ…!!」


ついに折れたケンはホシに頭を下げ謝罪した



「途中で何か訳わからん理解できないものがたくさん出てきて、つい…」



「もう…もういいです!!ケンさんなんて知りません!!!」


ぷんっ!と怒りそっぽを向いたホシにケンはひたすら謝った


「…悪かったってホシ…本当勘弁してくれ…」


「…」

ケンが謝るのをホシはじっと見つめ、そしてふっと笑った



「ふふ…」


突然笑い出したホシを怪訝そうにケンは見た


「ごめんなさいケンさん。そうですよね、よく考えればわかりますよね…。

ケンさんにこの話を理解してもらうのが難しいって。ふふふ」


「許してくれるのは有難てェが…馬鹿にされてる感が満載だ…」


「あら…そうですか?

あ、ケンさんちょっとこちらへ」


「?」


ホシが手招きするのでケンはホシに近寄った


ホシの真ん前に座ったケンの頬にホシが手を添え、自信の額をケンの額にこつんと軽くぶつけた


「なっ!?何だ!?」


「今から魔法で私の記憶をケンさんに流し込みます。
この方がケンさんも理解できるでしょう?」


「っ…そんなこともできるのか」


「はい…"メモリー"…」


ホシが唱えると、ケンの頭に次々と映像が流れた


まるで走馬灯みたいな


でもケンはこれが自分の記憶ではないことを知っている







これが










ホシの記憶







そして






彼女の願い事を叶える理由
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