【完】ときめき☆アドベンチャーゲーム ~悪魔と天使~
私じゃない?
でも今、ここにいるのは私とレイだけだけど---
私の前に立ち、見上げているレイの後を追うように私もその視線を辿ってみた。
するとそこには…。
「やーん、レイ様~。私の事、すぐに分かっちゃいました?」
「……あぁ」
「まぁ、これって私に対するレイ様の”愛”が強いからなんでしょうね」
「愛じゃねぇ。同族の気配くらいすぐ分かる」
私の身長の高さくらいある家の塀の上で少々ご機嫌斜めとばかりに、瞳を細め私とレイを睨んでくる人がいた。
ううん違う。
私だけを睨んで…いる?
塀の上で立ち上がったその美人さんは、軽々とした身のこなしで”ストン”と地面に降り立った。
その時、艶やかな右横にポニーテールをした腰まである黒髪が大きく揺れた。