【完】ときめき☆アドベンチャーゲーム ~悪魔と天使~
「…もうそんな事はどうでもいいですから、早くチカさんを追いかけた方がいいんじゃないんですか?」
「そうだ!シトリーのやろう、一体何考えてやがんだ?」
「ほら、早く行って下さい!僕は魔界には足を踏み入れる事は出来ないので、チカさんになって学校に行ってますから」
そう言ったセリュは、ボンッと言う音と共にモクモクと煙を出した。
煙が拡散するとその中から、チカが姿を現す。
いや…、
チカの姿をしたセリュが現れた。
「セリュ…」
「早くチカさんを助けに行って上げて下さい」
俺はコクリと頷いた。
「あぁ…、必ず助けてだすぜ」
「頼みます」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」
「………」
俺達の前に焦ったように飛び出してきたミリィは俺の腕を取ろうとして…、弾かれた。
一度でも王族を裏切ると、その王族に触れる事は出来ない。
それを知っているミリィは弾かれた手を擦りながら顔を青くさせ、そしてソロリ…と浮いている俺を見上げた。