【完】ときめき☆アドベンチャーゲーム ~悪魔と天使~
赤い運命の人
【赤い運命の人】
「あっぶねぇー。…チカ、大丈夫か?」
「……わ、わたし………、い、生きてる……の?」
震える身体は、何故か誰かに抱きこまれ私を包んでくれている。
それはとても安心する、優しい温もりだった---
先程まではもう殺されると思っていたのに、今は天国にでも来たような安心感に包まれている。
私はその人の背にギュッと腕を回した。
本当に後、もう少しで鎌の刃が目の前まで迫ってきたのだ。
もうダメだ…と思ったその時、誰かに抱え込まれそのまま地面へと転がったのは覚えている。
本当に怖かった---
絶対に殺されると思ったし、死の覚悟さえしていた。
しかし寸でのところで、今私を抱きしめている目の前の人物に私は助けられたのだ。
ん?
………あれ?
今、ここにいる人間…って言うか魔族の中で私を助けてくれそうな人って………誰、だろう?
私を包む、このガッシリとした体躯の持ち主は誰なんだ?
ガバッと顔を上げて、目の前のその人物を見た。
そこにいたのは---