【完】ときめき☆アドベンチャーゲーム ~悪魔と天使~
「お二人さん」
突如、割って入ったその声にはっとして横を向く。
セリュが机の上で腕を組み、呆れた顔で私達を見ていた。
キス…、
バッチリ見られてしまった---
恥ずかしさに顔が真っ赤に染まる。
しかし、そんな私の事など気にする事なく二人はまた仲良く会話を始めた。
「まだ居たのか。…もう帰れ」
「うわっ、天使を邪魔者扱いするなんてホンとひどいなぁ。それよりこれから天界人と魔界人で会議があるのは分かっていますよね?…先程のあの音楽はゲーム終了の合図であり、そして会議開始の音」
「………」
「チカさんとここでいったん別れるのは寂しいかもしれませんが、これも仕事。早くゲームの結果を報告しなければならないので、さっさと行きましょう」
苦笑いしながらレイにそう言ったセリュはスッと立ち上がると、私の前へと羽をパタつかせながらやってきた。
そして…、
「チカさん、お幸せにね」
そう言って手の平を見せたその上には、虹色に輝く水晶のような石が乗っていた。
直径三センチ程のその石の中は、七色の光がまるで生きているかのように不思議な光を放っていた。