【完】ときめき☆アドベンチャーゲーム ~悪魔と天使~
「チカ、待たせたな」
「………ッ」
振り向くとそこには、ベットの上で偉そうに足を組みながらこちらを見ている、トレードマークの黒いマントを付けた男がいた。
大人の身体になった途端、消えてしまったと思っていた羽もある。
以前より、格段大人っぽい顔つきとなったその男の大きな翼はこの男をよりいっそう…、
魅惑的な悪魔へと、仕立て上げていた。
その人物とは---
「レイ…、羽が生えてる?」
「あぁ、これは魔力で自在に出せるんだ」
フンッと鼻を鳴らしながらふんぞり返る偉そうなその態度は、以前と全く変わってはいない。
本当に…、
レイなんだよね?
「……ッと」
「レイッ!!!」
夢じゃなかったんだ…。
あのゲームは、幻じゃなかったんだね?
嬉しさのあまりレイに飛びついた私はそのままレイの首にギュッと抱きつき、首筋に顔を埋めた。
相変わらずの良いニオイだぁ~---
こっそりとレイの誰をも惑わしそうな香りを嗅いでいると、顎をクイッと上げさせられた。