【完】ときめき☆アドベンチャーゲーム ~悪魔と天使~
「セリュ、ありがとう」
「…はい」
私はこんなにも誰かの心を欲していたの?
こんなにも温かな温もりが欲しくて堪らなかったの?
まだセリュの身体を離したくなくて、キュッと抱き込む。
「………テメェら、早く来い」
もうリビングに行ってしまったと思っていたレイの声が、どこか遠慮がちに私の耳に入ってきた。
もしかしてずっとそこで聞いていたのかな?
チラッとドアの隙間から覗き込むように私達を見てくるレイは、俺様な感じではない。
へんな感じ…。
まぁこれ以上こうしているとその内いつものレイに戻って、私達に当り散らす事になるはず。
だからセリュから離れようと身体を動かすと、それに気がついたセリュもそれに合わせてゆっくりと私から離れていった。