パンプスとシューズ
出会い


次の日の朝

私はトボトボと重い足取りで校舎の階段を上がる。


「星歌!」

私は自分の名前を呼ばれ、振り返る

そこには有紗の姿があった。

有紗も私と同じテニス部。

「有紗、おはよう」

「おはよう。」

有紗とは同じクラス。

有紗はスタイルが良くて、
背が高くて、
テニスも上手くて、
綺麗で、
面白くて、
みんなの人気者。

ほんとにうらやましいな。

私とは大違い。

「きーてよ、星歌!
昨日帰ってたら隆誠先輩にあったの!」

隆誠先輩

それは男子テニス部の3年生

青木 隆誠

イケメンで日焼けですこし茶色い肌で
少し長めの髪。

学校の人気者って感じの先輩。

「そーなんだ。良かったね」

みんな隆誠先輩が好きだけど

正直、私はあまり興味ない。

だから私は適当に相づちをうちながら
話を聞いていた。

やがて有紗は違う子と話に行った。

その子と私はあまりしゃべらないから
少し離れた所から有紗たちをみていた。

有紗はその子と遊ぶ約束をした。

『私も一緒にいい?』

そう言いたいけど、言えない。

私は、有紗に気をつかって生きてるから。

どこか心の奥で有紗に脅えていて、

有紗があまり私を好きじゃないように見えてから

自分から誘わない。

勇気もないから。
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