あたしが愛した総長
愛しい声
~優梨side~
どこだろ……?
辺り一面、真っ暗だ
光もない、人もいない
また、あのころみたいに孤独の世界に戻ったのかな
あの辛かったころに…………?
でも、あたしは龍毅と出逢って
孤独ではなくなった
なら、なんでこんなとこにいるんだろ…
?「……り…………優梨」
優「だれ……?」
聞いたことのある声
そして、あたしの好きな声……?
?「…優梨……あなたはまだここに来たらだめ」
優「お、母さん…………?」
なんで……?
お母さんは死んだはずなのに……
母「久しぶりね」
優「お母さん…………!」
あたしが大好きで会いたかった人
涙が溢れてくる
母「久しぶりに会えて母さんも嬉しいんだけど……あなたは早く戻りなさい」
優「戻るって……お母さんに会えたのに、どこに戻れと言うの?」
母「よく耳を澄ませて聞きなさい。あなたの大切な人の声じゃないの?」
あたしの大切な人って……
「……り…………優梨」
優「龍毅……」
あたしの名を呼ぶ愛しい人の声
母「行きなさい、優梨。あなたがしわくちゃのお婆ちゃんになったころにもう一度会いましょうね。……それと、お父さんのこと…恨まないであげてね」
あたしの大好きだったあの笑顔で笑ったあと、悲しそうな顔で言ったお母さんに
優「うん!龍毅と一緒に会いに来るね。……お父さんのことは、今はまだ許せない」
母「……そうね、今はしょうがないわね。……じゃあ、またね、優梨」
あたしを抱き締めたお母さん
優「うん、またね、お母さん」
その言葉のあと
あたしの視界はだんだん明るくなって…………
白い天井が目に入った
そうか、あたし龍毅の前に立ってお父さんに撃たれたんだっけ