あたしが愛した総長


廉「てめぇ、人の女に手ぇ出しやがって。許さねぇ……!」


それからは殴る、蹴るの繰り返し


男は意識を失っていた


さんざん、やって気がすんだようで、


廉は美奈のところに向かってきた


あたしは美奈から離れて、龍毅の傍にいく


龍毅の腕に手を回して、


優「邪魔しちゃ悪いから、出よ」


龍「そうだな」


優「烈、雷、瀧。行こう」


部屋の端で、今までの出来事を見ていた3人にも声を掛け、部屋を出る





瀧「優梨りんが怒ったの久しぶりに見た~」


優「そりゃ、唯一の友達を傷つけられたからね。怒るよ」


瀧「えぇ!唯一の友達って、僕ら何になるの?」


優「瀧たちは大切な仲間」


瀧「そっか、良かった~。友達でも仲間でもないって言われるのかと思った」


泣きそうにしていた瀧が、今度は心底嬉しそうに笑っている


優「そんなこと言わないよ」


鳳龍のおかげで、あたしは仲間が出来た、居場所が出来た


ほんとに感謝してる


鳳龍に出会わせてくれた秀にも


喧嘩を教えてくれた先代の鳳龍幹部の皆にも


仲間として受け入れてくれた


烈、雷、雲、瀧、叶多にも


そして、鬼神にも


何より、あたしを愛してくれてる龍毅に感謝してる




優「龍毅」


龍「ん?」


優「ありがとうね、いつも」


龍「いきなりどうした?」


フッと笑って、こちらを見下ろす優しい表情


優「言いたくなったの」


龍「そうかよ」


頭をくしゃくしゃと撫でられた






この幸せを奪おうとする人がいるなんて


まだ気づけなかった




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