カメカミ幸福論
第1章 神、降臨する
・窓際お局OL
私は何でも持っている。
住む家も、食べ物も、雨が降ればそれを避ける傘も、会社まで往復している自転車だって持っている。
だけど、何も持っていないとも言える。
だって家は賃貸のボロいアパートだし、食べ物だって今日明日食べる分くらいだし、傘はあってもビニール傘で、お洒落なレインコートなどではない。車に至っては免許すらないって状態。
そして私は、一人で何だって出来る。
電車やバスで日本を一周することも出来るし、焼肉だってカラオケだって行こうと思えば一人で行ける。魚釣りだって、乗馬だって、その環境があればすることが出来るのだ。
だけど、一人では、週末に気の利いたパーティーは出来ないし、結婚も出来ない。子供を作ることも、一人では出来ないのだ。だから、そういう意味では「何だって」出来るわけではない。
そんな私の幸福論は、これだ。
「自己完結」。ザッツ・オール!
つまり、自分一人で出来ることをして、それをのんびりと楽しみ、ゆるゆる~と生きていけたらいんじゃないかって思うわけ。自分がよければそれでいいを地でいって、他人の評価は気にしないで生きていこう。そうしよう。そうすれば、少なくとも息苦しい状態からは抜け出せたって思えるはず。そして、私は十分幸せだって、そう思えるはず――――――――――
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