カメカミ幸福論
「わお」
思わず言葉が零れていた。何か、昼寝から目が覚めたような、不思議な感覚が私を包み込む。
その時、祖父母の部屋で、黙ってタバコをくゆらせていたおじいちゃんがのんびりと口を開いた。
「睦」
「え?はい、何?」
私はまだぼーっとしたままで、顔を祖父へと向ける。
「・・・前に一緒にいた、あの光はどうしたんだ?」
「え」
前に一緒にいた―――――――――光って、ダンのことかっ!?
仰天して口が開いた。
確かにダンと祖父は何かを語り合っているような感じではあったけど、やっぱり存在を感じていたのね、おじいちゃん!!そんなことを思って、トリハダが立ったのだ。
うわー、これってオカルトだわ!と思って。
おばあちゃんはきょとんとした顔をして二人の顔を交互に眺めている。
「あ・・・ええと――――――・・・」
・・・いる、よ。家の中には。
おじいちゃんは柔らかい笑顔をしていた。
だから私は立ち上がって、ドアを開ける。それからダンを探しに行った。とても不思議だけど、そういうことってあるんだ、と思いながら。