カメカミ幸福論
・・・・・あれ?この感触は・・・。違和感を感じていて、それが何か判らなかったけれど、今ようやく気がついた。
・・・・・あらららら~?ちょっと・・・服、着替えてるじゃないの。と、いうか、着替え、て、は、ない・・・。
寝転んだ状態で上半身だけ起こした自分の体を見てみれば、何と私は裸に毛布をかけただけの格好だったのだ。
「・・・うっひゃあああああああ~っ!!?裸っ!裸っ!?何でいきなり裸なのよ~っ!!」
叫びながらただかけられているだけだった毛布を引っつかんでぐるぐると自分に巻きつける。どうして、まさか、まさかこの男が――――――――
涙目になってきっと目の前の美形を睨みつけると、その美形は平然とした顔でサラッと言った。
「ああ、着ていたものは汚れていたから取ってやったぞ。神とは親切なものだからな、ちゃんとここまで運んでやったし」
何だとおおおおおーっ!!全身の毛穴が開いたかと思った。ぞわあああ~っとおぞ気に震えて、私は叫ぶ。
「あんたが脱がせたのかーっ!!」
うん?彼は小首を傾げる。薄いプラチナブロンドの長い髪が、肩のところからサラサラと零れ落ちた。
「感謝すべきところだろう。どうして怒っている?」
「勝手に服脱がされたら怒るわよ!この、変態!キチガイ!バカ男!さっさと出て行って~!!」
私は流石に真っ赤になってそうがなり立てる。一応急いで毛布の下を見たら、下着は何とかつけているようだった。ああ、良かった・・・。素っ裸だったら世を儚みたくなる・・・・とは思えないが、それでもかなりショックだったはずだ。