カメカミ幸福論
ざまーみろでしょ、それ!目を大きく見開いたままゲラ笑いをする私は、さぞかし不気味だったに違いない。ダンはその綺麗な顔をぐっと顰めて、汚いものでも見るような顔をしていた。失礼なやつよ、ほんと。
「ムツミ、とうとう壊れたか」
「あははははは!もっと叱られてきなさいよ!あはははは~!」
「こら、人間」
「あ~っはっはっはっは~っ!!!」
「・・・喧しいな」
ひゅっとダンが指を動かした。それと同時に私の笑い声がその場から消える。
ぐっと詰まって、私は喉を押さえた。どうやら声を消されてしまったらしい。
パクパクと口を動かすも、空気しか出てこなかった。・・・くそ。
私の笑い声を封じたあと、やれやれ、とダンは呟いて、サラサラの髪を片手で払う。
それから、ゆっくりと言った。
「それで、どうするんだ?最終的な返事を聞きに来たんだ。俺と天上世界へ来るのか、行かないのか」
へ?
私は目を見開いて、前に立つ美形の男神を見詰める。
「返事を聞こう」
ダンは、惚れ惚れするような笑みを浮かべて、ふんわりと浮いていた。