カメカミ幸福論
『仕方ない、上に戻って聞いてこよう。とにかく、ムツミは腹が立つ人間だ』
『ありがとね。私もカミサマがこーんなにムカつく存在だったとは知らなかったわ~』
『ううー』
『ううー』
お互いににらみ合って威嚇を放った後、ダンはふんわりと上昇した。じゃあ、また。そう言って、ぷりぷり怒りながら、光を撒き散らしつつ暗い空へ上っていった。
私はそれを見届けて、鞄を拾い、スーパーの惣菜も持ち直して自転車で部屋へ戻ったのだ。
それから飲んだくれたってわけ。
携帯には小暮からのメール。電話も一度かけてきた。それは知っていたけど、久しぶりに残業して死にそうよ、とだけメールを返して鞄の底に放置した。
口の中には苦いビールの味。
ああ・・・本当に、今日は疲れた・・・。
なのに、頭が忙しくてちっとも眠れやしない。
ようやくウトウトとし始めたのは、すでに明け方のことだった。