カメカミ幸福論
だけど怒り爆発中の私はそんな事実はスルッと無視してがなり立てる。ダンは、ぼそぼそと呟くように言う。
「黙ってられなくて、つい。それには悪かったと昼間も謝っただろう」
「神のクセに約束破るわけ!?」
ダンの眉間にきゅっと皺が寄る。
「神、様、だ。様をつけろ、カメ女」
「誰がカメ女だーっ!!」
これ以上怒れないと思っていたけれど、限界はまだまだ上にあったらしい。私は多分人生で最大音響の大絶叫をかましていた。もうご近所のことなんて構ってられないわ!
ダンは不敵な笑顔で顎をツンと上げて言う。
「だってあの男がそう呼んでたから」
・・・あの男。あの男!?ああ、小暮か!?くそ、あいつめ要らん情報を与えやがって~!私は腹立たしさの余り、腕まで組んで威嚇する。
「あんた、様をつけて欲しけりゃ敬わずにはいられないようなこと一つでもしてみなさいよ!大体神のくせに後光もともってないじゃない!」
「後光?」
「光り輝く何かがあんたにはないっつってんの!」
すると、ダンの全身がキラーンと輝きだした。うお!マジで、後光出せるのかいな、あんた!