エタニティ
同窓会の夜
或る土曜の夕刻。
私は駅と直結している歩道橋の上を、焦りながら小走りに進む。
何とか仕事を終わらせて、軽くメイクを直す間もなく会社を飛び出して来たのに、約束の時刻より既に15分遅れていた。
待ち合わせの銅像前に、高校時代からの友人である坂野智世(さかの ともよ)の姿が見当たらず、焦りは更に募る。
……先に行っちゃった?
今日は私にとって、13年振りのクラス会の日。
連絡してみようと、スマホを取り出そうとしたところで、聞き覚えのある大きな声に呼び止められた。
「美知佳っ、美知佳っ!!」
振り返ると、そこには懐かしい友の笑顔があった。
「きゃあ~美知佳!! 久しぶり~っ」
智世と私は20cm近く身長差があるため、彼女は私の胸を目掛けて抱き付いてきた。
今日の智世はベージュ色のドット柄ワンピースを上品に着こなしていて、若奥様と呼びたくなる程可愛い。
「智世っ、遅れてごめんね? あ、結婚式以来だね」
「美知佳ったら遊びに来てって言ってるのに、全然来てくれないし」
智世は3年前、社内恋愛していた彼の転勤を期に結婚し、東京を離れた。
現在は仙台に住んでいるのだが、今まで彼女の元を訪れる機会に恵まれなかった。
「ごめん、中々繋がった休みが取れなくて」
「美知佳、仙台なんて日帰り出来る距離よ」
「そんな、出張じゃないんだから」
私は苦笑を浮かべ、智世の背中を押した。
「でも、久しぶりに会えて嬉しい」
「うん。ごめんね? 本当だったら、真昼間から智世と一杯行きたかったのに」
私は駅と直結している歩道橋の上を、焦りながら小走りに進む。
何とか仕事を終わらせて、軽くメイクを直す間もなく会社を飛び出して来たのに、約束の時刻より既に15分遅れていた。
待ち合わせの銅像前に、高校時代からの友人である坂野智世(さかの ともよ)の姿が見当たらず、焦りは更に募る。
……先に行っちゃった?
今日は私にとって、13年振りのクラス会の日。
連絡してみようと、スマホを取り出そうとしたところで、聞き覚えのある大きな声に呼び止められた。
「美知佳っ、美知佳っ!!」
振り返ると、そこには懐かしい友の笑顔があった。
「きゃあ~美知佳!! 久しぶり~っ」
智世と私は20cm近く身長差があるため、彼女は私の胸を目掛けて抱き付いてきた。
今日の智世はベージュ色のドット柄ワンピースを上品に着こなしていて、若奥様と呼びたくなる程可愛い。
「智世っ、遅れてごめんね? あ、結婚式以来だね」
「美知佳ったら遊びに来てって言ってるのに、全然来てくれないし」
智世は3年前、社内恋愛していた彼の転勤を期に結婚し、東京を離れた。
現在は仙台に住んでいるのだが、今まで彼女の元を訪れる機会に恵まれなかった。
「ごめん、中々繋がった休みが取れなくて」
「美知佳、仙台なんて日帰り出来る距離よ」
「そんな、出張じゃないんだから」
私は苦笑を浮かべ、智世の背中を押した。
「でも、久しぶりに会えて嬉しい」
「うん。ごめんね? 本当だったら、真昼間から智世と一杯行きたかったのに」
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