エタニティ
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―――

訪れたのは偶然にも、私の会社から3駅ほど離れたショットバー。

今日は何かパーティがあった後らしく、カウンターの席でよければどうぞ、と葉山君がお世話になったというマスターはニコリと笑った。


「へぇ葉山君、ウェイターさんしたの?」

「遥か昔の話だけどね」

おどけて笑う葉山君は、私達にドリンクメニューを手渡す。

「智世は何にする?」

「私は……」

智世の瞳が何だか落ち着かない。

タクシーに乗りこんだ辺りから、ずっとそうだ。

体調でも悪くなったのだろうか?

居心地悪そうに椅子からお尻をずらす智世に、私は問う。

「智世?」

「私、やっぱり帰るわっ。」

智世は突如すくっと立ち上がり、私の背中をポンと叩く。

後でメールするね、と小さな声で耳打ちし、智世は足早に店を出て行った。

一杯も飲まずに。


「……何だ、あれ」

私の口から漏れた感想に、葉山君は苦笑いを浮かべて頭を下げた。

「ごめんな」

「何が」

「いや、橋本……じゃなくて坂野さん」

葉山君が謝った意味が分からず、眉に皺を寄せて彼を見詰める。

「俺が頼んだんだ。ミチと話しがしたいって」

「いつの間に?」
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