エタニティ
「軽蔑なんて……してないよ」

葉山君の付き合っていた彼女とも面識があった私は、確かに罪悪感で落ち込んだけど。

何とも不器用な自分を思い出し、思わず小さな笑い声を漏らしてしまった。

「格好悪かったね、私」

「俺は結構、引きずったよ。……あの後すぐ彼女と別れてさ。大学入ったらミチにちゃんと謝るんだって、頭の中でシュミレーションしてた。だから、ミチが推薦蹴って志望大学変えてたって知った時、頭の中が真っ白になった」

「それは」

同じ大学だね、なんて話しもしていたと思う。

切羽詰ったあの時期に、他の大学を受験するなんて、我ながら無謀ではあったけれど。

「それは……葉山君のこと避けようとして、変えた訳じゃないよ。……もう膝がね、ガタが来てたんだ。葉山君の行った大学、バスケ強かったじゃない? 大学でもバスケやろうと思ってたけど、もう無理って分ったから、スポーツ推薦を辞退しただけ」

「うん、坂野さんから後で聞いた。でもその時は、俺ってその程度の存在なんだろうなって思ったから、勝手に凹んだ」

引き留めて欲しいと思ってると、そう思われるのが嫌で、あれだけ沢山話しをしていた葉山君に相談出来なかった。

報われるとは思えない恋心を抱いてる相手だったから。
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