エタニティ
夜と朝のあいだに
―――――
―――
「遅いのにごめんね。来ちゃった」
葉山君と駅で別れた後、無性に陽希に会いたくなり、彼のマンションを訪れた。
「あれ?ハル、飲んでたの。めずらしい」
「う~ん」
覆いかぶさるように抱き締めて来る陽希から、微かにアルコールの匂いがした。
「あっ、このドラマ見てたの?」
リビングのテレビは陽希が出演中のドラマが映っていて、床には数本のビールの空缶が並んでいる。
陽希はどうやら、自分のドラマを肴に一杯やっていたらしい。
……このビール、この間私用に冷蔵庫に入れたヤツ。
普段、誘っても飲まないくせに。
私は空缶を避けて、ムートンラグの上に座った。
「佐竹さんに渡された宿題。自分の見るのってさ、ナルシストっぽくて嫌い」
陽希はウンザリした面持ちで隣りに寝転ぶ。
「そう?でも、このドラマ面白いよ。亜弥葉ちゃんもすっかり女優さんぽくなってるし。私も録画して必ず見てるよ」
「え~褒めるところ、そこ?」
少し酔っている所為か、口を尖らして拗ねる陽希の表情が、いつもより可愛らしい。
私はサラサラする陽希の髪をそっと撫でた。
「何て言って欲しいのよ」
「嫌な男に見えるとか、悪い男に見えるとか?」
「嫌な男って言うより、危険な男に見えたけど」
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「遅いのにごめんね。来ちゃった」
葉山君と駅で別れた後、無性に陽希に会いたくなり、彼のマンションを訪れた。
「あれ?ハル、飲んでたの。めずらしい」
「う~ん」
覆いかぶさるように抱き締めて来る陽希から、微かにアルコールの匂いがした。
「あっ、このドラマ見てたの?」
リビングのテレビは陽希が出演中のドラマが映っていて、床には数本のビールの空缶が並んでいる。
陽希はどうやら、自分のドラマを肴に一杯やっていたらしい。
……このビール、この間私用に冷蔵庫に入れたヤツ。
普段、誘っても飲まないくせに。
私は空缶を避けて、ムートンラグの上に座った。
「佐竹さんに渡された宿題。自分の見るのってさ、ナルシストっぽくて嫌い」
陽希はウンザリした面持ちで隣りに寝転ぶ。
「そう?でも、このドラマ面白いよ。亜弥葉ちゃんもすっかり女優さんぽくなってるし。私も録画して必ず見てるよ」
「え~褒めるところ、そこ?」
少し酔っている所為か、口を尖らして拗ねる陽希の表情が、いつもより可愛らしい。
私はサラサラする陽希の髪をそっと撫でた。
「何て言って欲しいのよ」
「嫌な男に見えるとか、悪い男に見えるとか?」
「嫌な男って言うより、危険な男に見えたけど」