エタニティ
朝の光
―――――
―――
朝になって、智世がメールを入れると言っていたのを思い出し、スマホをチェックすると彼女から長文が入っていた。
夕べ陽希のマンションの前で、彼女に電話した時は話し中だったから、私も昨日のうちに少しばかりの怒りと感謝と謝罪を込めて、メールを送信しておいたのだけれど。
シャワーを浴びに行った陽希と自分のためにコーヒーをセットし終えてから、智世に電話を掛けた。
「おはよう」
『美知佳、昨日はごめん』
「……ああいうサプライズは勘弁してよ」
『うん、ごめん。葉山君から全部聞いた。でも、美知佳ってば何も言ってくれないから。てっきり、結婚してる私に言いにくくて隠しているのかって』
「不倫するほど器用じゃないよ。……私もちゃんと言わなくて、結局心配かけたのは悪かったと思うけど。でも智世には、ちゃんと知って欲しかったの。彼のこと色眼鏡で見て欲しくなくって。噂が先行しちゃうような人だから」
『……ねぇ、もしもよ。もしも私が、葉山君の言葉を額面通りになんかに受け取らないで、もっと早く2人を会わせてたら、何か変わっていたと思う?』
コーヒーの香ばしい香りが部屋中に漂う。
私はその香りを楽しみながら笑った。
「もしもとか、そんなの必要ないよ。想像出来ない」
『そっか。彼のこと、とっても好きなのね?』
「うん、そう。好きなの」
『わ、美知佳の口からそんなの初めて聞いた。それじゃ、葉山君も玉砕しちゃう訳だ』
智世は安心したように軽口を叩いた。
彼女は昼前の新幹線で家へ戻るらしく、私達は近いうちの再会を誓い合って電話を切った。
―――
朝になって、智世がメールを入れると言っていたのを思い出し、スマホをチェックすると彼女から長文が入っていた。
夕べ陽希のマンションの前で、彼女に電話した時は話し中だったから、私も昨日のうちに少しばかりの怒りと感謝と謝罪を込めて、メールを送信しておいたのだけれど。
シャワーを浴びに行った陽希と自分のためにコーヒーをセットし終えてから、智世に電話を掛けた。
「おはよう」
『美知佳、昨日はごめん』
「……ああいうサプライズは勘弁してよ」
『うん、ごめん。葉山君から全部聞いた。でも、美知佳ってば何も言ってくれないから。てっきり、結婚してる私に言いにくくて隠しているのかって』
「不倫するほど器用じゃないよ。……私もちゃんと言わなくて、結局心配かけたのは悪かったと思うけど。でも智世には、ちゃんと知って欲しかったの。彼のこと色眼鏡で見て欲しくなくって。噂が先行しちゃうような人だから」
『……ねぇ、もしもよ。もしも私が、葉山君の言葉を額面通りになんかに受け取らないで、もっと早く2人を会わせてたら、何か変わっていたと思う?』
コーヒーの香ばしい香りが部屋中に漂う。
私はその香りを楽しみながら笑った。
「もしもとか、そんなの必要ないよ。想像出来ない」
『そっか。彼のこと、とっても好きなのね?』
「うん、そう。好きなの」
『わ、美知佳の口からそんなの初めて聞いた。それじゃ、葉山君も玉砕しちゃう訳だ』
智世は安心したように軽口を叩いた。
彼女は昼前の新幹線で家へ戻るらしく、私達は近いうちの再会を誓い合って電話を切った。