大好きな君に最高のチョコを
可愛すぎたらしい…
とても長く感じた授業もようやく終わり。
まちどうしかった放課後になった。
私は急いで帰る支度をする。
教室を出ようとすると、メイちゃんに声をかけられた。
「バイバイ、花音ちゃん!頑張ってね!」
「ありがとう!メイちゃん!私がんばるね!!」
私は元気いっぱい答えた。
メイちゃんは笑顔で手をふってくれた。
その笑顔に、私はまた元気をもらった。
秀斗の教室をのぞくとまだ終わっていなかった。
私は先に校門に行って秀斗を待っていた。
すると次々に私のまえをカップルが通っていく。
女の子はみんな可愛らしい紙袋や箱を持っていた。
みんなチョコをわたすんだなぁと思うと、急に私も緊張してきてしまった。
「どうしよう…。ちゃんとわたせるかなぁ…。」
ううん。こんなこと考えちゃダメだ。
せっかくメイちゃんが応援してくれたんだ。
今日こそ伝えるって決めたんだもん。
「よっし!大丈夫大丈夫!」
「何が大丈夫なんだ?」
いきなり秀斗の顔が目の前にあらわれた。
「ひやあぁぁぁぁぁぁ!」
私はびっくりして飛び上がった。
「なんだよ、悲鳴なんかあげて。てゆーか今日お前へんじゃね?大丈夫か?」
秀斗の目から心配してくれているのがわかる。
「大丈夫だよ。ありがとう。」
私が微笑むと秀斗の顔がいっきに赤くなった。
「なら、いいけど…。ほ、ほら!帰ろうぜ!」
秀斗が私の手をにぎって歩き出す。
私はあったかくて大きい秀斗の手をキュッとにぎりかえした。
「ったく…。可愛すぎんだろ。」
そんな秀斗の小さなつぶやきは、
手をにぎられて浮かれまくってる私の耳には聞こえなかった。