素顔のキスは残業後に
「聞いても、いいですか?」


かなり勇気を持って声にしたつもりだ。なのに――


「内容による」


彼はゆっくり顔をこちらに向けると、もうすっかり見慣れた意地の悪い笑みを浮かべた。


「――……やっぱり、いいです」


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