素顔のキスは残業後に
甘く囁くその唇が、その指先が、

僅かに残された羞恥心さえも奪い去っていって……




――って、ダメ! 絶対にここは流されちゃダメだって!!


心の中で甘い誘惑を振り払う。

それをサポートするようなチャイム音がベッドルームに鳴り響いた。



ピンポーンッ


それは来客を告げる……いや、お助けの音色。


チッと短い舌打ちが耳元で響く。


ホッと胸を撫で下ろして彼の拘束から逃れようと体をよじると、

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