駆け引きナシのラブゲーム
ピーポーピーポー
遠くから聞こえるサイレン。
「ちょっと!美沙姫、何?!これ…」
「廉君、大丈夫なの?!」
騒ぎを聞き付けてきた柚稀と紗羅が私の方に向かって叫ぶ。
「や…ぁッ廉がぁ……ッ」
私はもう、パニック状態に陥っていた。
「美沙姫、落ち着け。」
背部で聞こえた愛しい人の声。
「さ…ッくやぁ…どぉしよ……廉がッ」
「大丈夫だ…。廉は、大丈夫だから…」
遠くから聞こえたサイレンが止まり、中から救急隊員の人達が出てきた。
「怪我人はどこですか!!」
私は慌てて手をあげる。
「こッこの人です……ッ」