駆け引きナシのラブゲーム
帰り道。
「ふぅー…。なんか、こんなふうに歩くの久しぶりだね…」
「……だな…。」
咲夜は急に立ち止まる。
「…咲夜?」
「美沙姫には……迷惑かけたよ…」
咲夜は照れくさそうに呟いた。
「…ううん。私なんかより、ちゃんとお母さんとお父さんに言って…?すごく、悩んでた…」
私は咲夜に微笑む。
「……そか…。…だよなぁ、うん」
咲夜は夕日を見て言った。
「ねぇ?咲夜…。私、決めたんだけどね……」
「何…?」
咲夜は私を見る。
「ゲーム、しよーと思って……」
「うん」と咲夜は相槌をうつ。
「私、絶対咲夜を惚れさせる!!」
咲夜を見ると、ポカンとしてる。
「かッ覚悟しといてね!!?」
私はそう言って家の門に手をかける。
私は、これからも、ずっと―…
「悪いけど、そのゲーム、もう決着ついてるわ。」
咲夜を、
「…え?」
好きでいたいから―…。