駆け引きナシのラブゲーム
文化祭当日。
「おい!美沙姫、旭達のトコ行こうぜ」
「あ!お化け屋敷楽しそう♪」
「美沙姫〜アイス食いてー!」
アリスの公演時間まで、自由時間。
朝、一回稽古をした。
台詞は覚えた。
まだ緊張はしなかった。
「なぁ美沙姫ー!」
咲夜はさっきから子供のようにはしゃいでいる。
「はいはい…。………あッ、」
後ろから声をかけられ振り向くと、そこには両親の姿が。
「あ、パパさん、ママさん。ご無沙汰してます。」
またコイツ!!ケロリと態度変えやがって……
「猪本君、久しぶりだな。元気か?」
「はい、お蔭様で……。美沙姫さんとも仲良くやらせてもらってます」
「それはなによりですね、パパ♪」
ママはサングラスを少し外しながら言った。
「どれ、よかったら案内してくれないか??」
「もちろんです。どこ行きます??」