駆け引きナシのラブゲーム
「…ッぜーはーぜーはぁー」
廉は私達の前で止まって息を整える。
「…廉、急に何だよ……」
「あ、兄貴…、俺、転校してきたから」
「知ってる」
「えー!!情報速いなぁ」
なんだろう、このテンション…
ついてけない。
本当に咲夜の弟?
母親に似たんだろうな、多分。
「親父も来てるで!!久々に会わへん?」
廉がそう言った瞬間、咲夜の目つきが変わった。
「あんな奴、親父なんかじゃねーよ」
いつもと違う、鋭い目つき。
「何怒ってんねん、親父の話したくらいで。相変わらず小さい男やなぁ」
次の瞬間、
咲夜が廉の胸ぐらを掴んだ。
「これ以上、親父の事話したら二度とココ来れねぇようにしてやるからな」
咲夜はそう言うと、とっとと学校へ向かっていってしまった。