駆け引きナシのラブゲーム
―バァァンッ―

勢いよく開く扉。


そこには、咲夜ではなく、廉がいた。


「美沙姫ッ!!!」

「……れ…ん」
私は涙目で廉を見つめる。


「お前等、何してんねん…」

「…チッ、行くぞ」
男子達はそう言ってそそくさと出ていった。



「美沙姫……大丈夫か?」
廉が心配そうに歩みよる。
「とりあえず、ちゃんと服着ろ。な?」


私はグスグス鼻をすすりながら制服を着た。

「…歩けるか?」

そう言われ立とうとしたが、足に力が入らない。


「…ったく、しゃーないなぁ」
廉はクスッと笑ってしゃがんだ。
「ホラ、お姫様♪おんぶ!」

「何それぇ〜…」

……ありがと。廉。

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