別れたのに、別れられなくて。
「朋也〜、こっちこっち!」
と眩しいくらいの笑顔で私の忘れられな
い人の名を叫ぶ麻里奈_____憎い
麻里奈の笑顔は好きなはずなのに、
どうしても_____憎い
朋也はこっちに小走りで走ってきた。
来ないで。来ないで。
にも関わらず、距離は短くなる。
私は顔をふせた。
「麻里奈、そんな叫ぶなよ!」
あぁ、懐かしい声___
「紹介するね?こちらが私の彼氏の笹木朋也。」
顔があげられない___
あなたの顔を見たら泣きそう。
声を聞いただけでも泣きそうなのに。
溢れそうなの、この想いが__
「どうしたの?」