素直じゃない
はあ。
……浅香の言うとおりだよ。
あたしってどうしてこんなに可愛くないんだろう。
自分でも、自覚あるよ。
呆れるほど、可愛くないっていう自覚。
だから、ちょっと離れたかった。
そしたらもう少し落ち着いて、浅香と接することが出来ると思ったの。
隣の席じゃなくなるのは、正直すこーしだけ残念だったけど。
これ以上近くにいて、可愛くないところばっかり見られて、浅香に嫌われるよりはマシだって思ったのに。
なのに……!!
「うわ、マジで!?有希、席そこ!?」
ガタンッ、と隣で勢いよく机が揺れる音がして。
なんだか嫌な予感がしながら顔をあげたら、案の定。
視界に飛び込んできたのは、見覚えのある笑顔。