一筋のヒカリ。
「はい座って」
担任がいきなり指示を出した。
生徒達は面倒くさそうに個々の席へ付く。
担任は席順を書き終えたようだった。
「黒板を見て移動して」
単純な指示。
しかし、その一言だけで、気だるかった教室内の空気が弾みだす。
ふと、黒板に目をやる。
美沙の席は――――4番。
窓際の一番前の席だ。
また日焼けしそうな席だな、などと、やはりどうでもいいことを思いながら、美沙は机を動かした。
教室の中で、一度冷めた熱気がまた湧き上がり出す。
生徒達の興奮の理由はただ一つ。
―――席、誰と隣かな―――
体が、何となく軽くなる。
心も、不思議と弾みだす。
美沙も、例外ではなかった。
生徒達は、我先にと机を引きずりながら口はお喋りに勤しんでいる。
胸の鼓動と、体中に溢れる何とも言えない弾むような気持ちは、徐々に高まっていった。
それゆえ、事故も起きやすいのだが。
ゴンッ、
と、誰かとぶつかった音がした。
「あ、ごめーん」
誰?
ほかの事に意識が集中していた美沙は、一瞬そう問いかけそうになってしまった。
慌てて、その言葉を飲み込む。
段々と、目の焦点が合ってきた。
彼女は、七瀬・・・岩淵七瀬。
パーマをかけたかのような、ふわゆる、と表現するのが適切な髪の毛が、ふわり。
と揺れた。
その事にも、美沙はなぜか少しだけ苛立つ。
担任がいきなり指示を出した。
生徒達は面倒くさそうに個々の席へ付く。
担任は席順を書き終えたようだった。
「黒板を見て移動して」
単純な指示。
しかし、その一言だけで、気だるかった教室内の空気が弾みだす。
ふと、黒板に目をやる。
美沙の席は――――4番。
窓際の一番前の席だ。
また日焼けしそうな席だな、などと、やはりどうでもいいことを思いながら、美沙は机を動かした。
教室の中で、一度冷めた熱気がまた湧き上がり出す。
生徒達の興奮の理由はただ一つ。
―――席、誰と隣かな―――
体が、何となく軽くなる。
心も、不思議と弾みだす。
美沙も、例外ではなかった。
生徒達は、我先にと机を引きずりながら口はお喋りに勤しんでいる。
胸の鼓動と、体中に溢れる何とも言えない弾むような気持ちは、徐々に高まっていった。
それゆえ、事故も起きやすいのだが。
ゴンッ、
と、誰かとぶつかった音がした。
「あ、ごめーん」
誰?
ほかの事に意識が集中していた美沙は、一瞬そう問いかけそうになってしまった。
慌てて、その言葉を飲み込む。
段々と、目の焦点が合ってきた。
彼女は、七瀬・・・岩淵七瀬。
パーマをかけたかのような、ふわゆる、と表現するのが適切な髪の毛が、ふわり。
と揺れた。
その事にも、美沙はなぜか少しだけ苛立つ。