プリンアラモードを君と。【完】
倖太は答えずに、シャワーで泡を洗い流した。
「琴音は男前だな。お姫様みたいだと思ってたのに」
「僕も男なんだよ。性欲だってある。君だってわかってるはずだよ、ほんとの愛は性別を問題にしないって」
同性だからって何が問題なの?
「倖太は優しくて常識的だから、僕たちの関係を隠そうとしてる」
「……」
「怖がらないで」
誰にも言わない。
二人だけの秘密。
「最後まで食べてよ……」
この恋は、いけないことなんかじゃない。
「もういい子のふりはやめなよ」
「……琴音は悪ガキだな」
一度食べたら、きっとまた食べたくなる。
フルーツと生クリーム満載のプリンアラモードみたいに。
「……キスしよ?」
男同士だっていい。
二人で、溶けたい。
シャワーを止めて、倖太の手首を押さえた。
濡れた唇を合わせる。
「……琴音」
「きっと、おいしいよ?」