プリンアラモードを君と。【完】


彼は濡れた髪のまま、泣いていた。


「ごめんッ!!」

胸が締め付けられる。
僕のわがままで君を傷つけた。


「本当は、無理矢理にでもしたいって思ってる。誰にバレたっていい。でも、それはオレたちの最善じゃないと思う。大切にするってそういうことじゃないと思う」




やさしいひと。


倖太は自分を抑えてるのに。

「……そうだよね。君が心配してくれてるのに。僕は困らせてばっかりだ」

早く大人になりたいとワガママを言ってる。子供そのものじゃないか。
ごめんね。

抱きしめて細い肩に顔をうずめる。
倖太は抱き返してくれない。

「琴音はオレを愛してる?」



倖太は僕を試してる。



「もちろん、愛してる」
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