プリンアラモードを君と。【完】
「……続きはあとで。おやつ作ってくれるんだろ?」
「あっ、そーだ。バナナ切ってよ」
「はいはい。って、オレ結局手伝うの」
倖太が手早く買い物袋からバナナを取り出して、皮を剥いて薄切りにする。
「いちごは」
「買ったよ」
「ないけど」
「あれー?」
買い物袋には唐揚げとたくあん。
いちごを探してそのまま忘れたらしい。
「お前、おつかいもできないの」
「……」
「……」
……ほんとにそうだ。
「……ごめん……」
「まあ、うん、いいよ。いちごなくてもバナナあるし」
慌ててフォローしてくれるのは嬉しいんだけど。
17歳にもなって、おつかいひとつできないとは、自分が情けない。
倖太が笑って、「さ、生クリーム泡立てて。料理ぐらいできないと、そういう役が来た時にいいお芝居できないよ」と言った。
僕は四苦八苦しながら生クリームを泡立ててホイップさせるところまではできた。