【B】姫と王子の秘密な関係
「イタっ」
「そりゃ、音羽ちゃん。
抓ったら痛いよ。
良かったら、聴かせて……。
音羽ちゃんの返事を」
囁くように言われた言葉に、
私は「お願いします」っとペコリお辞儀をした。
クリスマスイヴの前日、
私は恋人いない歴を見事打破して
念願の恋人をGET。
その恋人は小さい時から思い続けてきた
運命の王子様。
明日は二人とも、クリスマスイヴで仕事が忙しすぎて
自分の恋愛やデートどころじゃないから、
その日、私は両親の許可を貰って、生まれて初めて和羽以外の家に外泊した。
晃介さんと初めて肌を重ねた夜は、
とても優しくて、穏やかで、何度も高まってくる快楽の波に
翻弄され続けた甘い時間。
伝える気持ちは……
あの頃から秘めつづけてきた愛しい気持ち。
そんな温もりを感じながら、
その日から私たちは、恋人同士としての時間を歩き始めた。