【B】姫と王子の秘密な関係



俺はそんな二人に一礼すると、
次の行動を行うために本社へと戻った。




今も本部から派遣されている応援スタッフ。
派遣料だけでも、請求金額は大きくなる。



遠野オーナーが退院するまでの間、
お店の経験の一手を引き受けることが出来ないか、
本部長の藤井さんに交渉に赴く。


音羽さんの存在が俺にとって大切なことまでを全て打ち明けて、
最後に俺自身の経験の為にも、代理オーナーを引き受けたいことを告げる。



事件を受けて、一号店以上に乱れすぎてる二号店。

一度離れてしまったお客さん、
一度失ってしまった信頼を取り戻すことは尋常じゃない。

だからこそ、やりがいがあると思ったし
早谷の名をつか使わずに、高崎として名前のままで、経営の立て直しをすることが出来たら
俺自身の自信にも繋がっていくと思えたから。



「高崎晃介の代理オーナーの件、わかりました。
 晃介さんはすでに、オーナー資格も取得済み。

 代理オーナーをした時間が、
 これからの経営に携わる際の経験値にも繋がっていくでしょう。
 
 お養父上には話しておきます。 

 遠野オーナー夫妻の承認を得て、自由におやりなさい」



反対されていると思っていた関所は、
いとも簡単に、承認してくれた。




朝焼けを目指し続けた星は、
ゆっくりと……光の世界の中へと身を投じていく。



新たな一歩を踏み出すために。




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