【B】姫と王子の秘密な関係
アキラさん、次は何時逢えるのかなー?
「レジ応援お願いします」
和羽の声がフロアに届いて、
私は慌てて作業を中断して、レジへと駆けつける。
レジ前には一気に集中したお客様の列。
「お待たせしました。
2番目のお客様、お預かりします」
誘導しながら責任者番号を通して、
二人で、お客様をはかせて一息。
「音羽、アンタ……意識しすぎだって。
アキラさんの事考えてたんでしょ。
独り言、だだ漏れだから」
呆れたように言う和羽。
えっ?
独り言……大きかったってこと?
「また、そんな顔をして。
独り言は、何も声だけじゃないんだから。
あんたの場合、
顔にすぐ出るからわかりやすい」
「わかりやすいって……、
そんなの知らないわよ。
ってか、和羽は、アキラさん気にならなかったの?」
「まっ、イベントで遊ぶ程度なら許せるけど
私はパス」
「そっかぁー。
和羽が選ぶ相手ってどんな人なんだろうねー」
わざとそんなことを言って、
和羽に揺さぶりを試みる。
ふいに入口のドアが開く。
「「いらっしゃませ。こんばんは」」
カウンターの中から、丁寧にお辞儀をしてお出迎え。
顔を上げた途端に、
引きつる私たち二人。
姿を見せたのは、本部の人間。