【B】姫と王子の秘密な関係
「小川さん」
「高崎、遠野オーナーが複数店舗の経営を希望していたな。
あそこの娘を一回で試験に合格できるように指導しろ。
今から本部に戻って、
梁田オーナーの経営されていた二店舗の今後を地区事務局長と話し合ってくる」
一人のオーナーがなくなっても、
会社としては、その悲しみに関わってる時間はない。
そうとでも言う様に、話だけがドンドンと進展してる。
梁田オーナーが受け持っていた店舗が、
遠野オーナーの二号店、下手したら三号店へとなるかもしれない。
小川さんが告げた言葉は、
未来に不安を抱えて、
苦しんでいた音羽さんのことを思い起こさせる。
勢いよく新たな形に変化をとげ始める時間。
閉める店、受け継ぐ人。
言葉では簡単な、その裏側に怒ってる現実に心を痛めながらも、
俺は本部に関わる一人として
今俺が出来る役割を必死にこなし続けていた。