【B】姫と王子の秘密な関係
ねぇ……アキラさんだけじゃなく、
私……、高崎さんにも惹かれてる。
最初は高崎さんの中に、アキラさんを感じた。
だけど……今は、
純粋に高崎さんに惹かれてる。
アキラさんは、夢の中の世界の住人だとしたら、
高崎さんの方が、現実味のある恋愛なのかな?
アキラさんが好きと、高崎さんが好き。
どちらも同じように見えて、
違うのかもしれない、そんな自分の心に惑わされる時間。
だけど……心のどこかでは、
アキラさんと高崎さんが
イコールだったらいいなぁなんて思ってしまってる。
そんな夢みたいなことはないんだろうけど、
それでも今は、この一瞬一瞬の時間をアキラさんと過ごす時間も、高崎さんと過ごす時間も
楽しみたいと思えた。
高崎さんが私たちに優しく、こうやって時間を作ってくるのは、
私たちが猛勉強しなきゃいけない今だから。
そして小川さんの手前、私たちを落第させたくなくて
教えてくれてるだけかもしれない。
だけど……今のこの時間は、
ある意味ちょっとした宝物になるような気もして。
決意した受験、突然始まった勉強会は
ドキドキを携えながら、瞬く間に過ぎていった。