【B】姫と王子の秘密な関係
高崎さんがアキラさんだって言うことは、
まだわからなかったけど、神様はもう一つの赤い糸を残しておいてくれた。
あの花火大会で迷子になった夜、
心細くて泣きじゃくっていた私を助けてくれた王子様。
その王子様が高崎さんだった。
そのことが……私の中で凄く嬉しかった。
二週間後、
私と和羽はストアサブマネージャーの試験に挑んだ。
二日間に渡って行われた試験は緊張の連続。
私の試験課題になったのは、
初日の実技試験が、レジでの接客・ゴンドラの掃除・本の陳列業務の試験・ギフト販売・床掃除。
和羽の実技試験が、レジでの接客・店外のスクリーンガラスの掃除・領収書発行・お弁当の陳列。
その後は、共通して筆記で発注問題。
二日目は、マニュアルから出題される100問。
試験から一週間が過ぎた頃、
SVの小川から店舗に電話が入り、合格を知らされた。
後日、ストアサブマネージャー専用のバッチと証明書がSVに寄って届けられる。
お父さんの夢を叶えるための、
準備は、これを機会に慌ただしく動き始めた。