いっしょうけんめい君が好き
それは君が精一杯、私に心配をかけまいと無理をしていたからだと思います。
いつからだろう。君を重荷に感じ始めたのは。
悪いのは君じゃない。心の中にいる形のない病だ。何度も言い聞かせました。
でも、やはり考えてしまうのです。
街行く恋人達とすれ違うとき、結婚する友達を見送るとき、あぁ、この人は恋人が目の前で腕を切るのを見なくていいんだろうな。夫に、殺してくださいと頭を下げられたりしないだろうな。こんなの普通じゃないな。普通がいいな。そんなことを考えてしまうのです。
そんな君にようやく回復の兆候が現れました。
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