いっしょうけんめい君が好き
よく笑うようになり、よく話すようになった君に、私はつい、言ってしまったのです。
もうそんなに病気も良くなって、働きもしないなんて、ただの甘えだ。と。
私は普通にお出掛けをして、外でご飯を食べて、結婚して、こどもを授かって、君は仕事に行って、私は家でこどもと二人で君の帰りを待って、そういう普通が良い。私は普通に生きていたいの。そう喚きました。
腕を振り回して泣きわめく私を君は抱いて、ごめんな。ごめんな。こんな俺でごめんな。と何度も謝っていました。
君が死んだのは、それから4日経った午後3時20分です。
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